00.全ての記事

2019年7月 1日 月曜日

7周年

士道法律事務所を開設してから7年が経ちました。

この時期を迎えるといつも
「あれ、そんなに経ったっけ?」
と思ってしまいます。

この7年を振り返ってみると色々な出来事がありました。
良いことも悪いことも含めての7年です。


受任する事件の種類や内容も少しずつ変化してきています。

例えば、過払い請求の依頼は全くなくなりました。
7年前の時点で過払いバブルと呼ばれるものは既に終焉期を迎えており、その当時でも依頼件数は少なかったのですが。
債務整理の広告は全く打ってこなかったこともあり、今は相談自体がありません。
過払い金の問題を抱えていた人たちの事件が大半解決したのだと考えれば、それはそれでよいことだと思います。

労働問題に関して言えば、残業代請求の相談が減り、代わりに不当解雇やパワハラセクハラの相談が増えました。
法整備や会社側の意識変化といった社会全体の大きな流れによるものではないかと考えています。

その他では不動産・建築関係や刑事示談交渉の依頼が増えました。
7年前には相談自体がほとんどなかった種類の事件です。
これらについてはご縁があって事件処理を続けているうちに問い合わせの件数が増えてきたかなという印象です。


来年は私が弁護士登録を行ってから10年目の年です。
10年というと長い時間のはずですが、前々実感が湧きません。
それでも多くの人たちに支えられてここまで来たことは間違いない事実です。

更なる節目に向かって一歩ずつ進んでいきたいと思います。
これからも士道法律事務所をよろしくお願いいたします。

投稿者 士道法律事務所 | 記事URL

2019年6月21日 金曜日

時効について①

「時効」という言葉を聞いたことがないという人はほとんどいないでしょうが、時効の内容をきちんと知っている人は少ないのではないかと思います。

民事・刑事いずれにも時効という制度がありますが、まずは民事から。

民事上の時効には時間の経過で権利を取得する「取得時効」と、権利を喪失する「消滅時効」の二種類があります。
取得時効が問題となるのはほとんどの場合が土地の所有権です。
10年または20年、所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有することでその物の権利を取得する、とされています。
10年と20年の違いは占有開始時にそれが他人の物であると過失なく信じていたか否か、です。

例えば土地を購入したときの図面が間違っていて他人の土地にまたがって家を建ててしまったとします。
そこが他人の土地だと知らなければ10年、知っていたとしても20年家が建ち続けていれば家の下の越境部分の土地につき取得時効が成立します。

ちなみに「所有の意思をもって」占有することが要件なので、賃貸物件を20年以上借り続けてもその物件を時効取得することはありません。


消滅時効は、原則として10年間権利を行使しないとその権利が消滅するというものです。
例えば友人にお金を貸したとして、返済期限を過ぎても返済がないまま10年が経過すればその貸金を取り立てる権利が消滅してしまいます。

現行法ではこの10年の消滅時効の例外として1年、2年、3年、5年の短期消滅時効というものが定められていました。
が、これはややこしいので2020年4月からは
「権利を行使できると知った時から5年、または権利を行使できるときから10年、いずれか早く到達する方」
で権利が時効消滅する、と改正されることになっています。


消滅時効でよく勘違いされるのが「請求をかけ続けていれば消滅時効は完成しない」というものです。
時効を中断する方法は、

「民事裁判を提起して裁判上の請求をする」
「差押、仮差押、仮処分をする」
「相手方に債務を承認させる」

この三つのみ。

裁判外で内容証明郵便等による請求を行ったとしても、そこから6か月以内に提訴や差押をしないと時効中断の効力は生じないので注意が必要です。


次回は刑事の時効について触れます。


(『蒼生 2019年4月号』掲載記事)

投稿者 士道法律事務所 | 記事URL

2019年4月17日 水曜日

法律文書の和暦表記

明けましておめでとうございます。
年が明けて新たな一年が始まりました。

今年の5月には改元が予定されており、これが平成最後の年始となります。
新元号の公表時期は改元の1か月前が想定されているとのことで、新しい元号がどのようなものになるのかが話題に上る機会も増えてきました。


さて、元号の変更というのは法律家にとってそれなりに重要な意味を持ちます。
裁判所での事件管理は和暦ベースでなされ、各種公文書で時期を表示するときは基本的に和暦が用いられるからです。

例えば、訴えが提起されると『平成31年(ワ)第〇〇号』といった形で事件番号が割り振られます。
改元後に受理された事件はこの頭の部分が変わることになります。

また、判決書は公文書なので原則として和暦が用いられます。

弁護士が作成する訴状や準備書面といった法律文書もこれに合わせて和暦で時期を表記することが多いです。


「公文書は和暦で表記しなければならない」という法令があるわけではなく、和暦表記は単なる慣行です。
公文書に西暦を併記することや西暦表記に統一することの是非が最近政府内で検討されたようですが、従前のままでいく方針で固まりました。

法律文書の和暦単独表記の是非については弁護士の間でも意見が分かれているようです。

否定派は和暦の不便さを挙げることが多いです。
期間や時期、年齢が争点に絡んでくるようなケースでは西暦だと単純な引き算でぱっと計算できるが和暦だと余計な計算が増える、海外が関係してくる事例だといちいち和暦と西暦を対照させなければならない、そういった手間を考えると和暦単独表記は合理的でない、という理由によるものです。

肯定派は日本の公文書なのだから和暦で当り前、キリスト教文化に基づく西暦に合わせる必要性がない、今はアプリで簡単に計算もできるし換算の手間など知れている、という意見が多いようです。

合理性を重視する否定派、文化や伝統を重んじる肯定派、といったところでしょうか。

ちなみに私が見聞きしている限りでは「どっちでもいい派」が最大派閥で、私もこの意見です。
西暦単独表記が色々と楽になってすっきりはするのですが、和暦の持つ厳粛重厚な雰囲気が裁判や法律という堅いものにはよく似合うように感じられますので。


(『蒼生 2019年1月号』掲載記事)

投稿者 士道法律事務所 | 記事URL

2019年1月 8日 火曜日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

昨日は以前在籍していた弁護士法人大江橋法律事務所の新年会に参加してきました。
ほぼ皆勤で参加させていただいていて、これに行くと新しい一年が始まったなという気になります。
年一回このときにしか会うことのない先生や事務局の方もいるので大事な機会です。

例年、この新年会で新パートナーの紹介と挨拶があるのですが、今年はついに一期上の先生がパートナーに就任されました。
大江橋法律事務所を出てからもうそんなに時間が経ったのかと思うと感慨深いものがあります。

いつまでも変わらず元気に活躍されている先生や、新たに入所する新人の先生とも交流して力をもらってきました。
大江橋法律事務所の先生方に負けないように、一年頑張っていきたいと思います。

士道法律事務所は1月7日から営業を開始しております。
今年も士道法律事務所をよろしくお願いいたします。

投稿者 士道法律事務所 | 記事URL

2018年8月21日 火曜日

認知症に対する法的備え(2)

前回は後見制度の概要について触れました。
今回は後見制度の問題点について見てみます。


最初に把握しておきたいのは
「後見は本人の財産を守る制度として設計されている」
ということです。

認知症のAさんに子B、孫Cがいたというケースで見てみましょう。

Aさんは孫Cの学費を払うと昔から言っていましたが、認知症になって銀行が預金払戻に応じてくれなくなりました。
困った子Bが法定後見の申立を行い、弁護士Dが後見人に。
一安心した子Bに弁護士Dが告げます。

「Aさんの預金から孫Cの学費を支出することは認められません」

と。


成年後見は「本人の財産を守る」制度ですから、

・本人の財産を減らして第三者の利益を図る行為(孫の学費を援助してもらう、生前贈与や生命保険で相続税対策を行う)
・財産の減少を招き得る行為(元本保証がなく損失が生じる可能性のある株式その他の投資)

は基本的に認めてもらえないのです。


他には「後見・補佐が開始すると取締役の資格を失う」ということも重要です。
取締役に欠員が生じることになるので、会社によっては速やかに代わりの取締役を探し出して選任する必要が生じます。

「後見人が預り財産を横領する可能性がある」ということにも注意は必要でしょう。
後見全体に占める割合としては低いものの、弁護士や司法書士による横領事件も一定数発生しており、専門家だから絶対に安心とは言い切れません。


もっとも任意後見ならこれらの問題の多くを回避できます。
任意後見の場合は信頼のおける後見人を自分の意思で選べますし、事前に本人の意思を確認しておけばかなり柔軟な対応が可能となります。
例えば「孫の学費を大学卒業まで払う」という任意後見契約を予め締結しておけば、認知症となった後も孫の学費援助を継続できるようになるのです。


成年後見の最大の利点は「信用できない人間が本人の周囲にいる場合の抑止力になる」ということ。
本人の財産を食い潰そうとする悪徳業者や同居親族がいる場合、後見人をつけていればその被害はほぼ確実に防ぐことができるようになります。


2025年には認知症患者が700万人を超えると言われる時代。
来るべきときに備えて後見制度を正しく活用することが自分自身や家族を守ることに繋がるのかもしれません。


(『蒼生 2018年7月号』掲載記事)

投稿者 士道法律事務所 | 記事URL

カレンダー

2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
アクセス


大きな地図で見る

〒530-0047
大阪市北区西天満4-7-1
北ビル1号館201

御堂筋線 淀屋橋駅
谷町線/堺筋線 南森町駅
四つ橋線 西梅田駅
JR 大阪天満宮駅 北新地駅

お問い合わせ 詳しくはこちら

新着情報

一覧を見る

2019/07/01
2019/05/21

不動産の解決事例を追加しました。

2019/04/24

【GW休業のお知らせ】
 4/27(土)~5/6(月)の間、GW休業とさせていただきます。